真なりや贋なりや
せまりくる試験の圧力と。流行る風邪の足音と。コケたときに失うものの重さと。見渡すかぎりの修習生たちと。
そんな環境のなかで、ときにささやかれ、ときに喧伝されるあやしい情報。
情報の内容は、主に試験問題の内容・採点基準等。
そして情報の根拠は、某教官からのリークという体裁か、今までのパターン分析からの予想か、コックリさんなんて懐かしいものも。
情報の信憑性をますための様々な小細工はなかなか面白く、ホホウ!と応じてしまうものもあるが、階段をあがって自室に戻ったときには忘れてしまう。
これからどんどん怪情報が流れるようなので、ご用心あれ。
でも、ここだけの話、某組の飲み会で、クラス一のベッピンさんがするすると検察教官を飲ませ、酔わせ、はしゃがせ、昏倒させ、床に広がる酒の雫で彼が最後に書いた言葉は「犯人性」であり(いや、まだ生きてますが)、すぐに慌てた弁護教官がそれを拭ったんだぜ。
ホントだよ。
俺、いままでウソついたことないんだから!
(またね!)
波をチャプチャプかきわけること
民族移動についての自説を検証するために筏で太平洋を横断する『コン・ティキ号探検記』。
アラスカに定住した星野道夫のエッセイ。
あと、開高さんが大阪の泥棒部落をコッテリ書いた『日本三文オペラ』。
そんな活力溢れすぎの話を最近は読んでたので、ちょっくら冒険心が湧いてくる。
と思ったら今日は調子が悪かった。風邪かな。
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週末は一年ぶりの神保町へ。キッチン南海、相変わらず旨かったナ。
三冊五百円の棚で、『ベスト&ブライテスト』(ハルバースタム、サイマル出版会、1976、全三巻)を購入。
超優秀な人材を集めたはずのケネディ政権がベトナム戦争の奈落にひきずりこまれる過程を、第二次世界大戦後のアメリカ内政が外交にどのような悪影響を与えたかをおさえつつ記してある。
超優秀だが結果的に有害だった人物や、無能かつ重要な地位についたゆえに有害だった人物、誠実で有能だがホサれて無力だった人物たちのエピソードも面白い。
人事ってのは奥深いナ。
悲劇は喜劇的な側面を伴っているのだ。
(またね!)
恋は起案の外
昨日は刑裁起案、本日は民弁起案。
両日とも起案終了後は(実にサエない出来!)、体育館で卓球やバトミントンをして戯れる。
任官志望者に誘われたら断れんですヨ。
そして彼を卓球で打ち負かすのですヨ。
鹿児島ではもっと互角だった気がするのだが、彼のプレーが積極性を失ったのは、昼間にチョコザイな起案を志向しているからだ、と思いたい。
無事に任官できたら、どんどん打ち込まれる無謀なスマッシュが戻ってくるのだ、と思いたい。
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集合修習にきたら、「おブログ、拝見してましたわ……」という熱い吐息をかけられたらどうしようと思ってたけれど、そんなこたあないですナ。
いや、久しぶりにパソコンから更新してるんですが、こんなサイトも毎日百人ぐらいから覗かれてるんだなあ、と思いまして。
鹿児島に配属された64期の修習生が、ここの記事をいろいろ読んで、「まあ修習なんて何とかなるな!」と思ってくれるだけで嬉しいのですが。
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最近読んだ本。通勤時間もないし、昼間でくたびれてすぐ眠くなるので、あまり読まなくなった。
- 作者: ヘリーン・E.シューウォーツ,北野弘久,神長百合子,神長勲
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 1986/07
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- 作者: 羽賀しげ子,実川悠太
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- 作者: 有吉佐和子
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 野田知佑
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)
- 作者: ビルクロウ,Bill Crow,村上春樹
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- 作者: ビルクロウ,Bill Crow,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: ドナルドキーン,Donald Keene
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- 作者: 塩野米松
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(またね!)
低頭思故郷
起案の講評を終日うけて、からだクタクタ、気持ちクサクサ、もはや椅子の上に尻を乗せることも厭悪して午後6時に寝る。
さすがに深夜に目が覚めて、外の空気を吸いに出ると、いくつかの窓は煌々と光っており、ムム、励んでいるのだナ、と思わされる。
もし給与制でなく、畏れ多くも日出づる国の税金殿を御簾ごしにお貸し与え頂き、さらに慈悲深くも労働という卑賎な行いを禁じて頂けるという、万国に誇り司法史の金字塔となるようなありがたき制度だとしたら、その恩賜に恐悦至極しながら、集合修習を週に一度は「体調不良」を理由に(危惧感説)恭しくサボりたてまつっていただろうナ、と、かしこみかしこみ申し立て侍りまする。
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奄美の被害に心が痛む。
法テラス、海沿いの一階だったけど大丈夫かな。
(またね!)
不健康だが文化的なまずまずの生活
鹿児島のころは近所にジュンク堂もあり、本を漁りやすかったが、寮に来てからはいかんせん出不精になりがち。
読んでない白表紙は犬に食わせるほどあるけれど、まず長時間は相手をできない。
ということで、部屋をわたりあるいて、使用貸借をしていくことになる。
なかなかの冊数とCDをそろえる奴から、五冊と十枚を借り、ホクホクして部屋に帰る。
たまに居留守を使われるが、そのときは、廊下から「さあ開けてもらおうじゃないの。この部屋のベッピンさんたちはとてもゴキゲンだって聞いてきたんだよ。だからそのゴキゲンなところを僕ちゃんにも拝ませてもらおうじゃないの。僕ちゃんすっかりその気になってるんだから!」と叫びさえすれば、みなまで言い終わらぬうちにドアが開くことがわかった。
アリババになった心持ちである。
(またね!)