読書

風狂の旅

友人の部屋に糊を借りに行ったら缶ビールも渡されて、落合フクシくんの結婚を祝して乾杯する。 - 酔いがさめるまでの間に角川ソフィア文庫で松尾芭蕉『おくのほそ道』を読む。片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず、弥生から長月にかけて、江戸を発して松島…

波をチャプチャプかきわけること

民族移動についての自説を検証するために筏で太平洋を横断する『コン・ティキ号探検記』。アラスカに定住した星野道夫のエッセイ。あと、開高さんが大阪の泥棒部落をコッテリ書いた『日本三文オペラ』。そんな活力溢れすぎの話を最近は読んでたので、ちょっ…

プロはプロの仕事を

弁護修習やっても、依頼者と2人きりになって「で、うちの先生の仕事、どうすか?」なんて聞けないので、あまり依頼者目線を学ぶ機会はなかった。鉄槌! (角川文庫)作者: いしかわじゅん出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/10メディア: 文庫 クリック: 17…

too big to fail

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) 追いつめられた金融エリートたち作者: アンドリュー・ロス・ソーキン,加賀山卓朗出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/07/09メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 323回この商品を含むブログ (39件) を見る…

みそひともじ

指宿で砂蒸しに。目をつぶると、ジャッジャッというシャベルの音が良い感じで、酷暑の中でもしみじみ地熱を堪能することができた。そして地ビール! ベフッ帰りの「なのはなDX」では心地よく熟睡。 - 結婚失格 (講談社文庫)作者: 枡野浩一出版社/メーカー: …

黒糖は甘くないこと

検察修習が木曜まで。ということで、修習生らは検事正や次席検事の決裁ハンコをもらうためにバタバタしております。取調べや補充捜査の指揮等を担当していると、自分が一番事件についてわかっている気になってくるのですが、決裁のときなんかに痛い急所を攻…

描いた人と描かれた物について書いた本を読むことについて

裁判官室の書棚にはズラッと文献が並んでいる。法律書が大部分だが、医療関係のビジュアル本や建築関係、もちろん精神医学など、専門的訴訟に備えるものもある。そのなかに仕事と関係のない本もまぎれてることもあり、オヤと思わせられるときがある。下の2…

よみメモ

天文館にふたつめのジュンク堂がオープンし、好環境になってきましたヨ。アマゾンで買うのと本屋で買うのが半々。ブックオフをあまり使わなくなった。 - 闇の奥 (光文社古典新訳文庫)作者: ジョゼフコンラッド,Joseph Conrad,黒原敏行出版社/メーカー: 光文…

さてさて

君は自由だ。選びたまえ。つまり創造したまえ。とサルトルさんが言ってましたナ。 - 選択型修習の期間(7月30日〜9月24日)の身の処し方を思案中。自分で受入れ先をみつけてくる「自己開拓プログラム」をいくつか利用して、1ヶ月ほど鹿児島市から離れよう…

死が吾らを分かつまで

くたびれて家のエレベーターに乗って、靴音も高らかに遅れて乗り込んできたギャルに対し、「何階ですか?」と聞くかわりに「何号室ですか?」とウッカリ尋ねて気味悪がられた修習生のブログはここですか? - 裁判―ロサンゼルス二重殺人事件 (1979年)作者: V.…

驟雨不終日

今日もそうでしたけど、この時季にあの雷雨というのが、「鹿児島だなあ」という気にさせるのです。いよいよ弁護修習も29日に幕引きとなりますが、今夜は事務所で送別会的なものを開いてもらいました。「稲刈りしてみたいですね」と気軽に言うと、みなさん「…

連休おしまい

熊本城にお花見に行ったかえり、肥薩おれんじ鉄道でゴトゴト水俣へ行き、駅のレンタサイクルで水俣病資料館に向かう。病気自体の悲惨さ、企業・行政・立法の対応の遅さ、地域社会からの苛烈なイジメに翻弄される公害被害者とその家族の艱難辛苦は、それはも…

罪を知らぬ者だけが人を裁く

本を1冊読むと、その1冊の背後に控えている本たちを知ることになる。つまり、本は読めば読むほど読んでいない気になるものである。というようなことを渡辺一夫が書いてましたね。『狂気について』(岩波文庫)か『人間模索』(講談社学術文庫)のどちらか…

最近の読書

買っても書棚から出てこない本もあれば、買ったその日に読み終えられる本もあり。「未済/既済」の2箱を思い出しますナ。既済の箱からいくつか。昨日に引き続きシケた天気なので長めに書く。 山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)作者: 森鴎外出版社/メーカー: 新潮…

この星の日々

珈琲屋で100gずつ豆の挽き売りを買っている。2週間にいっぺんぐらい。ハイチ、カメルーンときたので、今回はケニアの豆。「どんな風味ですか?」と聞くと、「枯れた感じ」だそうな。ジローラモを想像しながら淹れてみたけど、よくわからん。でも、うまい。…

活火山より愛をこめて

NHK鹿児島で、次のようなニュースが。 桜島では、3日午後4時58分に昭和火口で爆発的な噴火があり、火口から1キロ前後の4合目まで噴石が飛ぶなど、ことしに入って3日午後6時までに20回の爆発を観測しています。去年は、昭和火口で545回、南岳の…

朝になるまえに

朝6時に浴衣をはおり、ずるぺたとスリッパで露天風呂へ。露天風呂。雪化粧。日の出。隣で湯につかる女の瞳と頬をかがやかせる……あ、別に興味ないですか。そうですか。女は指を折り何かを数えている。こちらはその手を包みこんで邪魔をする……あ、しつこいで…

belowなハナシで恐縮です

司法研修所から民裁・刑裁の教官を迎え、二週間前に書いた導入起案の講評を聞く。九時半から五時まで。突然ですが、みなさんオナラはキライでしょうか。僕は「のみ説」をとってるので、自分のオナラはキライじゃないです。体調により七色のバリエーションが…

裁判員裁判 2日目

9時に登庁。 木曜の令状講義のための記録検討(勾留の可否)。10時から裁判員裁判の傍聴。証人尋問で感情移入してしまい、目の奥がしめっぽくなるところはまだまだ我ながら素人だが、証拠調べ請求された書証が採用されるかどうか、といった地味なところに興…

家事おやじ

週末ということでちょっとくたびれ感。昼夜の修習を頑張りすぎたかな。五時半にそそくさと退庁し、チキンカツのカツ丼、ナメコとネギの味噌汁をつくる。飲みかけの味噌汁を倒して民事判決起案の手引きが浸される。こういうとき、すぐに拭かないでしばらく眺…

無酒精日

夕方まで民裁導入起案の準備。「青山」でセールのシャツと靴下をまとめ買いし、山形屋の地下で東京の友人宅宛に「黒豚しゃぶしゃぶセット」を発送する。召されよ。そのあとスーパーで食糧調達。コメ・モチや調味料も買ったので大袋に2つほどになり、えんや…

ブータン・ノワール

ジュのアパルトマンの1階にコワン・ランドホリエがあるので、百円玉をアンガジェしてグリュネグリュネとブラマンデールさせています。とフランス語風に言ってみました。洗濯中です。動物行動学者の日高敏隆さんの訃報が新聞に載っていました。人間はどこま…

地蔵角交番24時

家から歩いて十分のところに歓楽街(繁華街じゃないよ)があり、その近くに交番がある。この交番の前を通るたびに、この本を思い出す。空とぶカメラマン―私の仕事史 (中公新書 547)作者: 山田照夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1979/07メディア: 新…

pleasure to meet you

雑多な報告。18日に裁判所ガイダンスなので、「知り合いが誰もいない夜」というのは17日しかチャンスがなかったのです。そんな異邦人的気分をもって近所のシガーバーに行き、葉巻(モンテクリストの4番)を一時間ほどかけて灰にしてきました。あとアードベ…

愛しさと心の壁

ベルリンの壁が崩れてからちょうど20年。崩壊のニュースは何となく覚えているが、東西冷戦の知識は当然なかったため、「小林さんちと鈴木さんちの間にある古い塀をぶっこわすお祭り」として眺めていた。(おさらい。ベルリンはすっぽりと東ドイツ領にあった…

満月、空に満月

明日から一泊で鹿児島に出張。住居を決めてきます。今日は、とある北海道物産展で、普段は好まないトロフワ系のプリンを購入。お店が『パパラギ』という名前で、大学のころ図書館で借りた本と同じタイトルだったので。この本は、南の島の酋長が白人文明を批…

語学堪能なハヤカワさん

旅行中になんとなく本屋で手に取った「ハヤカワ文庫の100冊」のパンフレットがいい出来だったので、10月はハヤカワさんを軸とした偏りのある読書となりました。10月に読んだおすすめハヤカワさんは以下の7冊。悪童日記 (ハヤカワepi文庫)作者: アゴタクリス…

『金花黒薔薇草子』

金子光晴 金花黒薔薇艸紙 (小学館文庫)作者: 金子光晴,桜井滋人出版社/メーカー: 小学館発売日: 2002/06メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見るグレートな詩人、金子光晴がひたすらエロ話をする本。個人的には、彼の詩よりも戦前の…

『ニッポンの思想』

ニッポンの思想 (講談社現代新書)作者: 佐々木敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 17人 クリック: 199回この商品を含むブログ (167件) を見る浅田彰、中沢新一、蓮實重彦、柄谷行人、福田和也、大塚英志、宮台真司、東浩紀を軸…

思い想われ「日本の思想」

人生バラ色しゃべりは七色、上沼恵美子でございます。明日の読書会のための準備をしております。題材は「日本の思想」なのですが、おそらく三度目ですね、読むの。日本の思想 (岩波新書)作者: 丸山真男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1961/11/20メディア:…